こんにちは、アヤトです!
10月23日、ドイツ・ポツダムにあるバル
ベリーニ美術館に飾ってある名画に
マッシュポテトが投げつけられる事件が
あったと報道がありました。
同月14日にはロンドンのナショナル・
ギャラリーに飾られているゴッホの作品
『ひまわり』にトマトスープが投げつけ
られる事件もありましたが、皆さんも
記憶に新しいのではないでしょうか。
ドイツでのマッシュポテト事件を知り、
「またか」と思う反面、なぜわざわざ絵画
を攻撃するのでしょうか?
環境活動と絵画の関連性が思い浮かばず、
不思議な気持ちにもなりますよね。
名画に食べ物を投げつける理由とは一体
どういったものなのでしょうか?
モネにマッシュポテト投げつけ事件
10月23日午後、ドイツ・ポツダムにある
バルベリーニ美術館でモネの作品が襲撃
されました。
ドイツの環境活動団体『ラスト・ジェネ
レーション』の支持者2人がモネの作品
《積みわら》にマッシュポテトを投げつけ
たということですが、幸い、絵画は無事な
ようです。
10月14日にもロンドンの環境団体が
ゴッホの作品『ひまわり』にトマト
スープを投げつける事件もありました。
こちらも絵画の方は無事ということですが
一方で額縁を心配する声も。
絵画は無事でも、額縁は無事じゃねーんだよな…額縁だって立派な作品で、絵画の展示は絵と額縁の組み合わせなんだから、絵画は無事でもよぉ…額縁だって代えは効かないんだぜ…。
モネ作品に“マッシュポテト”投げつける 環境団体の訴え相次ぐ #ldnews https://t.co/tilHjexudI
— 🐏stray_sheep_nemuri🐏@年内は完売いたしました!🐏 (@stray_s_nemu) October 24, 2022
絵画がより映えるように選ばれ、一緒に時を
重ねてきた額縁も大変価値が高いもの
でしょう。
マッシュポテトもトマトスープも、額の
細かい装飾の部分まで入ってしまっている
と思うので、清掃にはかなり神経を使うの
ではないでしょうか…。
物に対して食べ物を投げつけるという発想
自体も不穏ですが、こうして現場を画像で
見るだけでも、ショッキングですよね。
モネの作品『積みわら』とは
今回標的となってしまった作品
『積みわら』はクロード・モネが1890年
から1891年にかけて制作した絵画です。
当時モネが住んでいた家の近くにあった
畑がモデルで、収穫後に畑に積まれた干草
の山が描かれています。
積みわらは『ウィルデンシュタイン作品
番号』に1266番から1290番として記載
されている計25点の連作で、異なる時間や
季節、天候条件で描き分けられた光の加減
が見事な作品です。
『積みわら』はモネの作品の中でも最も
重要な絵画として有名で、複数の美術館に
分けて所蔵されています。
|
東京でも『積みわら』が見られるなんて
初めて知りました。
それにしても、環境団体は『積みわら』が
モネの最も重要な作品だと分かった上で
狙ったのでしょうか。
こういった事件が起こることで、持ち物
検査などの措置を考えなければいけないと
いうのは、運営側も純粋に芸術を楽しみ
たいお客さん側にも迷惑な話ですね。
環境活動が絵画に食べ物を投げる理由とは
ゴッホの『ひまわり』にトマトスープ、
モネの『積みわら』にマッシュポテトを
投げつけたのはどちらも環境活動団体の
支持者ですが、なぜ主張を訴える手段と
して『絵画への攻撃』を選んだの
でしょうか?
報道を今一度よく読んでみると、
ゴッホの『ひまわり』の方の主張は
「絵画の保護と地球や人類の保護、
どちらが重要なのか」、
そしてモネの『積みわら』にマッシュ
ポテトを投げた環境活動家は
「人々は飢え、凍え、死んでいる。
社会に対して芸術と命、どちらがより価値
があるか」
と叫んでいたようです。
また、モネの『積みわら』にマッシュ
ポテトを投げつけた環境活動家が所属する
団体『ラスト・ジェネレーション』の代弁
者によると、
モネは自然を愛し、そのユニーク
で壊れやすい美しさを作品に
取り込んだ。モネがその魔力を賞賛したこの
世界そのものの破壊よりも、
これらの現実のイメージの
ひとつが損なわれることのほう
を恐れる人がこれほど多いのは
なぜだろうか。キャンバスに描かれた牧歌的な
世界に没頭するのではなく、
現実を直視しなければならない。
食料と水の奪い合いをして
いたら、芸術を鑑賞する暇も
ない!出典:美術手帖
このメッセージから考えるに、
「芸術を鑑賞する贅沢な時間があるなら
飢えて苦しむ人や破壊されていく環境の
ことを考えるのに時間を使え」と
言いたいのではないかと感じました。
調べてみると、最近は気候変動における
化石燃料の使用に警鐘を鳴らす目的で
有名な絵画を狙う抗議活動が相次いで
いるようです。
|
などなど、初めは接着剤で絵画に自分の体
を接着させるという事件の方が多いよう
でした。
どちらも理解し難いですが、美術情報
サイト『ARTnews JAPAN』によると
ロンドンの環境活動団体『ジャスト・
ストップ・オイル』のメンバーの言い分は
「気候変動という現実を無視し続けようと
する市民の注意を引くために必要だ」
と話しているようです。
食べ物を投げつける行為はそれこそ、
「飢えて苦しんでいる人々がいる」とも
主張しているのになぜ無駄にするのかと
思います。
確かに有名な物に攻撃を仕掛ければ大きな
ニュースになり、注意を引くことはできる
でしょう。
しかし、長い年月の中で大きな価値を
見出されてきた作品に対してこういった
非情な行為をする団体に協力し、地球環境
について考えたいと思う方は増えるの
でしょうか?
とてもそうは思えません。
しかし地球規模で災害級の豪雨や干ばつ、
乾燥による森林火災が立て続けに起こって
いることは事実ですよね。
攻撃的な活動は、攻撃的な反論や反発が
増えるばかりではありますが、こうした
事件がなくとも、急激に変わっていく
地球環境について真剣に話し合い、
改善のために動き出す必要は
ありそうですね。
まとめ
ここまでお読みいただきありがとう
ございました。今回はモネの『積みわら』
にマッシュポテトが投げつけられた事件を
受け、絵画と環境活動の関係性について
調べてみました。
- 10月23日午後、モネの『積みわら』に
マッシュポテトが投げつけられた - 同月14日にもゴッホの『ひまわり』に
トマトスープが投げつけられる - 7月ごろから各国で絵画に接着剤で
体を接着させるなどの事件が頻発して
いた - 気候変動のために化石燃料の使用に
警鐘を鳴らすのが目的 - 絵画に環境活動家が食べ物を投げる
理由は、大きなニュースになることで
環境についての議論を高めたいからと
されている
コメント